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近視進行の抑制(低濃度アトロピン点眼)

近視とは、目に入った光のピントが合う位置が網膜より前になっている状態のことで、ものや字がぼやけて見える状態です。
近視の多くは眼球が前後に伸びることで起こります。

 眼球は体が成長する時期に伸びることが多く、低年齢の頃に早く伸びる可能性がありますので、近視は子供のころほど速く進む可能性があります。外遊びの時間が少くなったり、近くを見る時間が長くなったことなどのため、子供の近視の人口の割合は増加しております。近視が進行すると、大人になってから緑内障などの目の病気になる可能性が高くなるといわれております。

 

 子どもの近視とは?:参天製薬 (5.35MB)

 

 

 

 

 

  低濃度アトロピン点眼薬による近視進行抑制治療 

 

 アトロピン硫酸塩は検査前(例:屈折や調節遮断)に目の中の毛様体筋を弛緩させて調節機能を取り除く際に使用され、これにより目の症状(例:ブドウ膜炎)を治療する目的で使用することもあります。

 

 

数々の調査の結果、アトロピン1%は、アトロピン点眼液を投与されたこどものグループは投与無しのグループに比べて近視の進行を遅らせること判明しました。つまり、近視の進行が抑制されたことが確認されたのです。

 

 

しかしながら、アトロピン 1%は下記のような副作用をもたらします。

 

  • 1. 瞳孔が開き続けることによるまぶしさと強い光による不快感や目の痛み

  • 2. 遠近調節機能(手元を見る作業)が低下し、近くの物がぼやけて見え、読み書き等の近くを見る必要がある作業が困難になる

  • 3. アレルギー性結膜炎及び皮膚炎
     

眼科研究機関では、近視の進行を抑える効果はそのままに、副作用の面でより安全性の高い低濃度のアトロピン-アトロピン点眼薬の使用の可能性を検討しはじめました。

 

シンガポール国立眼科センター(Singapore National Eye Centre)及びシンガポール眼科研究所(Singapore Eye Research Institute)で実施された臨床試験によりますと、低濃度のアトロピン(0.01%)は 2 年間に亘り近視の進行を 50〜60%遅らせ、しかも副作用は仮に発生しても非常に軽微であることが証明されています。

シンガポール国立眼科センターの研究によりますと、アトロピン0.01%(マイオピン、英語名:Myopine)はアトロピン1%、 0.5%、または0.1%と比較して副作用が極めて低く抑えられており、一方で近視の進行を抑制する効果はほとんど変わりません。

 

また、香港中文大学のセンターによる研究によると、低濃度のアトロピン(0.025%)は、1年間で進行する近視を約50%軽減、副作用が出たとしても非常に軽微であることも証明されています。  

 

参照:https://www.myopine-eyelens.sg/ 

 

  

 

 

治療の目的及び内容

 リジュセア®ミニ点眼液0.025%は1回使いきりタイプの低濃度アトロピン点眼液で、参天製薬株式会社とシンガポールの国立眼科・視覚研究所(Singapore`s national research institute,SERI)により共同開発され、2024年12月に厚生労働省によって製造販売が承認されました。発売前の臨床試験において、点眼を行わない場合に比べて、小児の屈折値の進行や、眼軸長の伸びを抑制することが確認されました。本治療は、低濃度アトロピン点眼液であるリジュセア®ミニ点眼液0.025%を点眼することで、小児の近視進行を抑制することを目的とするものです。

本治療は、近視の進行を抑えることを目的としていますが、完全に近視の進行を止めることはできません。また、この治療は視力を回復させるものではありませんので、その点をご理解ください。

したがいまして、本治療を行った場合でも、近視の程度に応じて眼鏡等での視力矯正が別途必要となります。

 

低濃度アトロピン点眼液による治療は自由診療(公的医療保険の対象外)です。検査・薬剤費用は全て自由診療となります。投与中、低濃度アトロピン点眼液が原因と考えられる副作用について治療が必要になった場合も、すべて自由診療となります。

 

 リジュセアミニ治療を始められる患者さんへ:参天製薬 (4.96MB)

 

 対象となる方は

  5歳以上

  医師の診察により適応は判断された方
  定期的に眼科を受診できる方

 

 

 

 治療法および治療に要する費用、期間・頻度

 

(1)治療に用いる薬剤:低濃度アトロピン点眼液                       

通常、1回1滴を1日1回就寝前に点眼します。
 

(2)治療スケジュール・費用

検査後、適応と判断されれば治療開始となります。初回は1ヶ月後に再診していただきます。副作用等がなく、治療継続に問題なければ、定期的に効果をモニタリングします。3回目の治療以降は3ヶ月毎の定期的な通院が必要で、10代後半くらいまでは治療を継続することが望ましいです。

 

受診予定

費用(税込)

初回

  診察・検査費用(3,300円)+点眼薬1箱費用(4,380円/箱)

1ヶ月後

  診察・検査費用(3,300円)+点眼薬3箱費用(13,140円/3箱)

以後3ヶ月毎

  診察・検査費用(3,300円)+点眼薬3箱費用(13,140円/3箱)

  1箱30本入り

     

 

 

 

 主な副作用・危険性

主な副作用として、羞明(まぶしく感じる)、霧視(かすんで見える)があります。

他に、視力障害、頭痛 、眼瞼湿疹が起こることが報告されています。

また、治療を途中で中止すると、近視が急激に進行する可能性があります。

これらの症状、その他にも何らかの異常が現れた場合には、直ちに医師にご相談ください。

 

 

問合せ先

ご不明な点がございましたら下記までご連絡ください。

〒330-0804
埼玉県さいたま市大宮区堀の内町1-330
ハートフル大宮 202 さいき眼科
TEL:048-783-5815

 

   

近視について詳しくは ∼∼親子で学ぶ近視サイト∼∼ もご参照ください

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